2019-10-18 23:08:16
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本日は雨。
CDは基本、起きるときの目覚まし代わりなのですが、今晩は久々にジョージ・ウィンストンの「フォレスト」をかけております。
このCDを購入したのは二十歳前後だったでしょうか。
働き始め、金銭的余裕ができて、大人の自覚がすこーし出てきて、でも会社では子供扱いで。
周りはまだ学生という人が多くて、彼らには夏休みなどがあり、それが羨ましくてちょっと不貞腐れたりしておりました。
働くということの本質をまだ理解していない、本当にどうしようもない甘ちゃんだった頃です。
勤め先の駅前、本屋のCD売り場で、霧に濡れる杉の森のジャケットを見て、背帯を見て……良さそうだなと思って買いました。当時2400円(税込み)
「森」を聴く、「森」を感じる。
故郷モンタナを想い、森の自然を奏でる
ジョージ・ウィンストン3年振りのソロ・ピアノ・アルバム
(↑は背帯のキャッチコピー。)
どの曲も確かに湿っぽいです。和音がどうとかは全くわかりません。
1番のカラマツはピアノの限界なんじゃなかろうか、と思うような高音まで使っていて胸に迫ってきます。寒々しくて、雪がくるくる舞うように降っているのかなと、私は勝手に思っています。
(学校の授業以外で楽器を習ったことは無い素人ですんで、音域云々は見当違いの可能性大です)
気づくといつの間にか終わってる曲が多くて、これだ! というものは無いのですが、それも創作しながら聴く分には長所だったりします。
(このピアノ演奏家を知ったのはこの時が初めてで、後に「あこがれ/愛」という名曲の人だと知るのですが…それはまた後日。)
このCDを買った頃に比べたら、今は本当に色々便利になったと思います。
ただ…静かで広々とした書店で、じっくり本やCDを選ぶ贅沢な時間は失われてしまった。それが悲しくあります。
そして自分も変わってしまった。一人で想像して遊ぶ楽しさはまだ忘れていないけれど、まだかまだかとネットの世界を飛び回り、次の情報、新しい情報を求めてしまうようになった。
部屋にあったテレビを捨てて、携帯電話を解約して。
そこまでしてやっと、その当時の自分の時間を、幾らか取り戻した気がします。
プライベートな時間には気に入ったCDをエンドレスでかけて、好きな本を読んだり、考え事をしたり、絵をかいたり、拙い文章を作ったり、飲んだり泣いたり笑ったり。
変化することが望ましいものは沢山ある。変化が必要なものも沢山ある。
でも個人レベルでは変えないほうがいいものもある、と思う。
やはり、早いリズムの乾いた高音が、ひとりで雪の森を彷徨うような印象に結びついてしまいます。
でも低音に集中すると、若干違う感じもしました。
お互いに住んでる地域の違いによって、同じ「秋~冬」でも光景が変わるのかな、と思いました。
それから聞いているオーディオ環境も大きいのかもしれません。私の安いやつだからナ~。